チコちゃんに叱られる!の過去テーマから【海の中で昆布の出汁が出ないのはなぜ?】のメモです。
チコちゃん 過去の雑学まとめ!海の中で昆布の出汁が出ないのは?
では早速、昆布が海の中だと出汁が出ない理由をお伝えしていきます。
【結論】海で昆布(こんぶ)の出汁が出ない理由
結論、昆布は生きているとダシが出ません。ゆえに海の水はダシの味がしません。要するに生きている状態の昆布からはダシは出ない、ということですね。
出汁が出るのはどんな状態の昆布?
私たちが普段、出汁をとっている昆布は市販の「ダシ昆布」ですよね?これは”死んでいる状態”の昆布。海の中で生きている昆布と違うのはこの状態の違いです。
海の比較的浅い場所に生息する昆布は海水から豊富な栄養をもらって育ちますが、水揚げされた後はそれらの栄養を得ることができなくなるため、徐々に死んでいきます。それによって出汁がとれるダシ昆布になるのです。
そもそもダシとは何なのか
出汁とは動植物から旨味成分を水また湯で抽出する液体のこと。おもにカツオやイワシなどの「動物性食品」や昆布やシイタケなど「植物性商品」を使われることが多いと思います。
昆布出汁の美味しさの正体とは
昆布は豊富な旨味成分を含んでいますが、中でもアミノ酸の一種・グルタミン酸の旨味成分が豊富で、このグルタミン酸が「昆布出汁の美味しさの正体」といえます。
日ごろ食料品店で購入する食品の使用添加物を見るとたいてい「アミノ酸」という成分表記が目につきますが、天然の出汁には人間が「美味しい」と感じる成分がもともと含まれている、ということです。
海外にも広がる「ダシブーム」
日本人にとっては昔から馴染みのある出汁の旨みですが、これはそもそも日本人特有の味覚で諸外国の人たちにはそれがない、と聞いたことがあります。近年は海外でも「ダシブーム」が広がりつつあるらしく、出汁について学びたい外国人料理人の方が増えてるそうです。
外国人の方に出汁の旨味を感じ取れるものなのか分かりませんが、日本食が流行したり、日本食材が世界にも流通するようになったことで、徐々に外国人の方の中にも出汁の旨味を感知する味覚が育ってきているのかもしれません。
昆布が生きていると出汁が流れ出ない理由
生きていると出汁が出なくて、死んでいると出汁が出る。それは分かりましたが、そもそもどうして生きていると出汁が海の中で流れ出ないのか、疑問ですよね?笑
その理由を簡単にお伝えします。
昆布が生きていくために必要な栄養素を守るため
昆布が生きている間、細胞の中に存在するグルタミン酸などは細胞膜によって外に出ないよう閉じ込められいるのです。つまり昆布が生きていく上で必要な栄養素、ということ。
【旨味成分】は人間にとって”味が美味しいもの”ですが、昆布やその他の生き物にとってはとても重要な栄養素なんですね。ゆえに生きている間は、しっかり細胞膜でガードして守られているのでしょう。
【実験】生きていると本当に出汁は出ないのか?
OAでは「生きていると本当に出汁は出ないのか?」を調査すべく海水が入った水槽を2つ用意。片方に生きている昆布を、そしてもう片方に死んだ乾燥昆布を使って7時間ほど様子を見る、という実験をしていました。
実験の結果
乾燥昆布を入れた水槽・・・グルタミン酸が多量に検出
生きている昆布が入れた水槽・・・グルタミン酸は検出されず
やはり死んでいる昆布でないと、出汁はとれないということが実証されました。
昆布にまつわる豆知識
昆布について、日常あるある的なちょっとした雑学です。話のネタにでもしてみてください。
出汁をとった後の昆布は食べたほうがいい?
捨てずに食べることをオススメします。出汁が出た後も昆布には栄養がたっぷり、高血圧予防・コレステロール値抑制などに良いとされる食物繊維、ミネラルなどたくさん残っているので、味付けをしてふりかけとか佃煮にすると日持ちもしやすくて良いと思います。
出汁は乾燥させたほうが多くなる?
生と乾燥でグルタミン酸の量は違いません。乾燥させるのはあくまで保存のためで、条件にもよりますが保存期間をできるだけ長くすることができます。
捨ててしまう箇所ほど重要な栄養素が豊富
捨ててしまっている部分ほど重要な栄養素が豊富に含まれているといわれます。出汁をとった食材や切り落とした部分などは簡単に処分せず、別途調理していただく工夫をしたいものです。
また出汁をとるのは面倒、と思われがちですが、いりこだしなどは寝てる間に一晩冷蔵庫で水出しするだけで手軽に出汁をとれたりもしますし、添加物の入っていない出汁パックなども探せば近所のスーパーで置いてあったりするので気になる方は調べてみるといいですね。
チコちゃん 過去の雑学まとめ♡海の中で昆布の出汁が出ないのは?まとめ
昆布の出汁に関するまとめは下記のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。
- 出汁は生きている昆布からは出ない(死んでいる昆布からしか出ない)
- 出汁の旨味の正体はグルタミン酸というアミノ酸の一種
- 海外でも年々ダシブームが広がっている
- 生きていると出汁が出ない理由は細胞膜で栄養素が守られているから
- 実験によると生きている昆布からは本当に出汁は出なかった
- 出汁をとった後の昆布も食物繊維やミネラル豊富なのでできれば食べるとよい
- 生と乾燥した昆布で旨味成分グルタミン酸の量はとくに変わらない
質問:海の中で昆布のダシが出ないのはなぜ?
答え:海で昆布のダシが出ないのは「生きているから」